オウンドメディアの企画・開発・運営支援をはじめ、SEO対策やメディアの収益化に至るまでのソリューションサービスを提供している当社。なかでも、検索エンジンからの集客を目指すSEO施策は、メディア運営で欠かせない施策のひとつとなっています。そこで今回は、当社でWEBメディアの編集部として活躍している百瀬、小松、阿内の3名に取材。abcompanyのメディア編集部としての強みと、SEO対策へのこだわりについて聞きました。
――まずは、編集部の体制について教えてください。
百瀬:メディア運営に関わっているメンバーは、ライターさんや業務委託の編集スタッフも含めると、全体で50名を超えます。メディア責任者である私たちが記事のテーマとなるキーワード選定や企画をおこない、ライターさんに執筆を依頼しています。
小松:現在私が運営しているメディアは一人2-3媒体。各メディアで毎月十本、編集部全体で毎月100~200本以上の記事を公開しています。
――1名で毎月数百本というとすごい数ですよね。そのペースで記事公開を進められるのには、どんな理由があるのでしょう?
小松:SEOに知見のある優秀なライターさんのネットワークがあるからこそだと思います。また、ライターさんとは普段から積極的にコミュニケーションをとるよう心がけています。フラットにやりとりできる信頼関係があるからこそ、スピード感を持って記事作成や修正を進められています。
――ライターさんのディレクションをするうえで、意識していることはありますか?
阿内:ライターさんに丁寧なフィードバックをすることです。以前は、ライターさんから納品された記事にはあまり修正依頼をせず、編集部側でがっつり修正を入れるケースも多かったんです。しかし、ライターさんの育成を考え、今では記事構成といった大枠から文章表現といった細かい箇所まで、修正部分は丁寧に共有するようにしています。
結果、ライターさんのスキルアップに繋がり、記事全体の質も高まりました。こういった再現性の高い編集・ディレクション体制があるからこそ、クオリティの高い記事作成を維持できていると思います。
ユーザー視点の仮説実証で、価値ある記事を届ける
――具体的に、どういったメディアを運営しているのか教えてください。
小松:洗濯をテーマにしたメディア「araou」やお風呂メディアの「bathtime.club」など、ライフスタイルに寄り添ったメディアを中心に運営しています。WEBメディアの運営を始めたのは、約2年前。そこから試行錯誤を重ねて、PVを伸ばしてきました。
――SEO施策のための記事作成でこだわっていることはありますか?
百瀬:既存のマーケティング手法を土台としつつ、ユーザー視点を織り交ぜたコンテンツ作りを意識しています。「ユーザーにはこんなニーズがあるのでは?」とユーザー視点で仮説を立て、実証します。
――ユーザー視点での仮説実証というと、具体的にどういうことでしょう?
阿内:記事作成の最初におこなう「記事のキーワード選定」もそのひとつです。最初は、SEOマーケティングの手法で検索ボリュームを分析し、どのキーワードを狙うかを考えます。しかし、データ分析だけでは終わらず、最終的にはユーザー視点でのトレンド、季節性なども考慮してキーワードを決定するようにしています。
例えば、もし夏に公開する記事で「入浴剤」というキーワードを狙うとします。その場合、「クール系の入浴剤」のニーズが高まると仮説を立て、「クール」「ひんやり」といったキーワードで記事にするんです。
検索ボリュームに反映されるのは、あくまでその時点でのデータでしかありません。だからこそ分析だけに終わらず、ユーザー視点での仮説と実証を心がけています。
――ユーザー視点を持つことを大事にしていると。
阿内:そうですね。もうひとつ、ユーザー視点に立った記事作りのために意識しているのが「ユーザーペルソナの設定」です。
例えば、「入浴剤」を検索するのは、比較的お金に余裕のある独身女性に多いんですね。そこで異なるターゲットを想定して記事を作成しても、メディアの収益化にはつながりません。それぞれ記事のターゲットを定めたうえで、そのニーズに合わせたコンテンツづくりを心がけています。
百瀬:あとは、信頼性・正確性にもこだわっています。正しい情報を手に入れたい読者にとって「信頼性があるか?」というのは非常に重要なポイントだと思うんです。
弊社では、記事の正確性・信頼性を担保するために、専門家に取材をした記事にも積極的に取り組んでいます。こういった正確性・信頼性を高める工夫が評価されたことで、PVも徐々に伸びてきました。
効果を出すための施策は選ばず、積極的にチャレンジする
――最近のSEO傾向についてはいかがですか?
小松:数年前と比べ、Googleのアルゴリズムがアップデートされる頻度が増えていますよね。良い影響を受けて順位が上がった記事もありましたが、反対に打撃を受けた記事もありました。特に、最近ではメーカーサイトやECサイトが検索上位に上がってくる傾向があると感じています。
――そういった現状に対し、どんな取り組みをされていますか?
小松:メーカーサイトやECサイトとの差別化で意識しているのが、「オリジナル性」のあるコンテンツ作成です。例えば、メーカーサイトを見ても他商品との比較はわかりません。
でも、商品選びで悩んでいるユーザーが知りたいのは、「実際に使ってどうなのか?」「他の商品と比較してどうか?」といったリアルな感想だと思うんです。弊社メディアでは商品の体験レビューや比較記事でそういったニーズに応えることで、他サイトとの差別化を図っています。
阿内:既存記事のテコ入れにも力を入れています。
最新の情報を届けられるよう紹介する商品の見直し・追加をしたり、関連事項を追記したり……。記事の構成そのものも見直すこともあります。例えば、「〇〇って?」という抽象的な見出しでは、何について書かれているかわかりにくく、読者が離脱してしまうんですよね。
読者が飽きずに最後まで読めるよう、「〇〇の特徴は?」「〇〇との違いは?」と細かく見出しを設定するなど、改善点を見つけては修正することを繰り返しおこないます。
百瀬:これまで培ってきたSEOマーケティングのノウハウを使うのはもちろんですが、既存の手法だけにとらわれず、これまでいろいろなアプローチでPV数や収益性を伸ばしてきました。「効果を出すためにやるべき施策は全てやる」という方針で、新しいことにも積極的にチャレンジしています。
――そうなんですね。実際、どういったアプローチが考えられますか?
百瀬:例えば、最近ではSNSを活用した集客もおこなっています。専門家などに取材をおこなうと、ありがたいことにSNSで記事をシェアしてくださることも多いんです。
そうやって記事を紹介いただいたことで、SNSやブログで反響があり、検索流入以外の経路からもユーザー獲得が得られるようになりました。SNSでの集客は、引き続き力をいれていければと思っています。
――今後、編集部として特に力を入れていきたいことはありますか?
小松:Googleのアルゴリズム変動などの影響は大きいですが、最終的にはユーザーファーストなメディアが生き残るのではと思っています。今後も、そこは譲らずにメディアを運営していきたいですね。