新規にメディアを立ち上げる際には、企画からシステム作り、記事の作成・管理まで、実にたくさんの「やるべきこと」があります。しかし、経験の少ない企業がその土台を作るのはそう簡単なことではありません。実際に『Felice(フェリーチェ)』というサイトを立ち上げ、1年足らずで150万PVにまで成長させた軌跡について、株式会社Hide&Seek メディア事業部の野上田さんにお話を伺いました。
「やりたいことはやる」の社風が新規事業の追い風に
――まずは『Felice(フェリーチェ)』を立ち上げたきっかけについて教えてください。
弊社は主に通販事業を手掛ける会社で、創設時は5名、現在は12人のスタッフで業務を行っています。今から2年ほど前に、初期メンバーのうちの1人が「メディアをやってみたい」と言い出したのがFeliceの第一歩でした。
少人数のスタートアップ会社だったおかげで、どんな企画が上がっても「やりたいならやってみたら?」と言えるフットワークの軽さが私たちの大きなウリです。メディア立ち上げの話が出るや否や「どんなテーマにする?」「どうやってサイトを作る?」と、大盛り上がり。(笑)
ただ、通販事業とは全く異なる畑なので「ゼロから始めなければならない」という現実もありまして……。いろいろ当たって、途方に暮れ気味なところで、社長から平山さん率いるabcompanyを紹介していただきました。
――『Felice』はどんなサイトなのでしょうか。
Feliceは、「香りではじまる、ワタシの暮らし」というサブタイトルからもわかるように、フレグランスに特化した内容のメディアです。国内では、「フレグランス=香水」をイメージする人がほとんど。でも、Feliceが扱うのはあくまで「香り」であって「香水のみ」ではありません。日本人にはあまり馴染みのないテーマですが、だからこそコアなファンも多いです。
私たちの身近にはさまざまな香りがあります。シャンプーだったり、芳香剤だったり、入浴剤や石けんなどもそうですね。香り自体に興味はなくても、それらを購入する際には「〇〇の香り」って部分を気にするでしょう。そこにスポットを当てました。(笑)
欧米の人々にとってフレグランスは、とても身近でポピュラーな存在。海外へ行くとわかりますが、本当にシャンプーやソープの種類が多いんですよ。香水を筆頭に、どこに行っても充実の品揃えです。
そういった商品の情報って、日本に住んでいると入手しにくいじゃないですか。そこを埋めるためにFeliceがあるわけです。海外在住のライターも複数抱えていますので、現地ならではの情報をいち早くお届けできます。もちろん、国内の情報もしっかりと取り入れていますよ。
コンサルサポートの新しいかたち
――メディア事業の経験がないことで、当初に感じた不安はありますか。
「ゼロからはじめる」というのが楽しくもあり、不安でもあり……。
どこが不安かと問われると、ほとんどですよ。外部ライターと編集の齟齬が生じるのではないか、キャッシュフロー的にきちんと成り立たせることができるのか、そもそも読者がついてくれるのかなど、考えればキリがありません。
――実際にabcompanyとパートナーを組んでみて、不安点は解決できましたか?
「香りをテーマにする」ということだけは決まっていましたが、基本的な戦略は一切決まっていない状態でabcompanyさんに相談をしました。初回は何を相談していいのか、どう説明するべきかで悩んだことを覚えています。(笑)
実際にお話しをしてみて感じたのは、abcompanyさんの「温かさ」。事業の戦略作りからサイトの構築プラン、コンテンツの運用体制まで丁寧に教えてくださり、まんべんなく対応していただけました。
しかも「全てを任せる」という事務的なやり取りではなく、「一緒に考える」ことを前提に進めてくれる。既存のコンサル会社とは感覚が違いますが、成長を望む企業としては、これほどに嬉しいことはありませんよね。事前に感じていた不安も、いつのまにかきれいに消えていました。
――コンサルのサポートが入ったことによって得られた「メリット」を教えてください。
まずは、記事の品質に集中することができました。これは大きなメリットです。外部のライタースカウトに割く時間も作れましたし、何より一つひとつの企画を十分に吟味する時間が得られました。少人数体制でリソースのない企業にとっては、一番嬉しいポイントですね。
それから、メディア運営のノウハウを学べたのも大きいでしょう。これによって、外部ライターとの間にほかの会社を挟むことなく直接交渉することが可能になりました。ストレートなお付き合いは、ライターにとっても私たちにとっても多くのメリットを生みます。メディア自体のテンションにも関わる部分ですので、abcompanyさんの功績は偉大です。
サポートの内容も手厚くて、事業成長にしっかりとコミットしてもらえました。「社外からのお手伝い」的な線引きもなく、私たちにとっては「新しい仲間」のような存在。現在でも、キャッシュフロー面ではまだまだお世話になっています。
メディアの成長には、無数の接点とそれをつなげる行動が必要
――その後、Feliceはどのように成長したのでしょうか。
立ち上げから1年ほどで150万PV/月近い目標を達成しました。その後、SEO改変で少し落ち込みましたが、現在でも100万PV/月以上は維持しています。収益化のスピードとしては想定の3倍近い速さですが、これもabcompanyさんのサポートあってこその数字です。おかげさまで検索流入以外の数字も順調に伸ばせています。
とくにSNSを使った拡散は好調です。もともとブロガーとして活動していたライターをスカウト採用しているのですが、そのブログやSNSからの流入がとても大きい。abcompanyさんの協力もあって、ライターの発掘にリソースを割いたのが功を奏していますね。
――今後はどのような展望を考えていますか。
Felice を立ち上げることによって、abcompanyさんはもちろん、多くのライター、そして読者の方々と、たくさんの接点を持つことができました。これは私たちにとって大きな財産です。この先、これらの点をどうやって線にしていくかが課題となるでしょう。
検索流入やSNS拡散によって、集客や収益化の観点からは成功を収めることができました。ただ、ここで満足していてはメディアの成長も止まってしまいますよね。だからこそ、今後も新しい機能やコンテンツをリリースして「進化」できるようにと考えています。
株式会社Hide&Seek
通信販売コンサルティング事業・コンサルティング事業・メディア事業・eコマース事業を営む。「FUNを追求し、FANを広める」という理念のもと、日々、ワクワクする事業を創出している。
企業ホームページ:https://www.hideandseek.co.jp/